ここもでかい美術館です。
日本語マップを手に入れて、回り方を確認してからじゃないと、うかつに動けません。
どうやら地上階→5階→2階というルートで回ると、古い年代から順番に見ることができるらしいが、もとが駅舎だった建物なので、とにかく広い。
ボヌール「二ベルネ地方の農耕」。
北海道でよく見る畑がそのまま描かれたようで、ものすごく写実的で人間業とは思えない。
牛の背に当たる明るい太陽の光、でこぼこの土に作り出された影のコントラストがとても印象的。
ミレー「落穂拾い」。
ルーブルでもそうでしたが、ここでも模写をしている方が何人もいました。
ガラス越しでない本物の真横で、ごく普通にこんなことができてしまうのは、文化の違いとしか言いようがありません。
専門職の方なのか、美術学生なのか、年齢も幅があってどんな立場の方々なのかはわかりませんでしたが、観光客に後ろからジロジロ見られても気にならないのかなぁ、とヘンなところで感心してしまうのでした。
マネ「草上の昼食」。
現実世界に裸婦が唐突に存在する構図は、「オランピア」とならんで、発表当時にさんざん酷評されたというが、個人的には理解しにくい絵画という感想を持った。
細部にメッセージが込められていても、やっぱり違和感は拭えないのでした。
ルノワール「ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット」。
彼の作品は、どれも柔らかいタッチで描かれていて、見る者みんなが温かい気持ちのなるのではないだろうか。
木漏れ日、ダンス、賑わい、酒、笑顔。
楽しい時間がキャンバスに溢れています。
時間が許せば、何十分でも眺めていたい、そんな魅力的な作品の一つにあげられると思います。
ルノワール「田舎の踊り」。
こちらも女性の笑顔がすごく素敵でたまりません。
「幸せ」というものが絵の中に満ちていて、どうしてこんないい表情をしてるんだろうかと思うと、見てるこっちまで頬がゆるんでしまうんだからすごいですよ。
線質はあくまでソフトに、しかし強烈に伝わってくるものがある、それがルノワールなんでしょうか・・・。
今回の旅で、ファンになってしまったかもしれません。