家で書いた月例課題を見てもらいました。
教室では、こんな感じにザクザク朱が入ります。
自分には見えなかった誤り、気づかなかった修正点が白日の下に(笑)。
直すべき部分と、なぜ違うのかという理由を先生は明確に説明してくれるので、いざ書き直す際に自信を持って直せるのがいい。
あいまいな表現や、感覚的に説明されるだけでは、その時は上手くいったとしても、またいつか同じ誤りを犯す恐れがあるし、同類のパターンでの応用がきかなくなる可能性があるだろう。
特に楷書の場合は、理論的な線の組み合わせによって美しくなりますから、共通する原則をどれだけ多く身につけているかどうかが重要になります。
例えば「峯」の横画3本。
1本目は右上に反り、二本目は平勢、3本目は押さえるように右下方へ、というのが横画3本が重なった時の原則となります(画像ではイマイチそうなってませんが・・・あはは)。
また、2本目の終筆は1本目より出てはならず、3本目は長く引く、というのも原則です。
これを覚えていれば、三、青、春、寿、などの同じつくりを有する文字で迷うことはなくなります。
上下につくりが重なる場合は、上部に対して下部は、直下もしくはやや右よりに位置するのが原則となり、決して左寄りになることはありません。
これは「楷法の極則」とされる「九成宮」で貫かれている書き方ですね。
「峯」では「丰」の部分が「山」の中心線よりも、わずかに右寄りであるのが理想とされます。
画像ではそうなっていないので「→」と朱書きされていますね。
同じパターンが適用される字は、品、温、盧、管、碧、嘗、などがあげられますから、字の中心線さえ気にしていれば、下の部分を右寄りに置くことで均整のとれた形になるはずです。
書道は芸術的表現とはいえ、合理的な法則が根底に流れています。
それを無視した作品は、文字ではなくなってしまう怖さがあります。